水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
嫌気性流動床におけるメタン生成に及ぼす流入基質濃度および流入負荷の影響
松本 明人野池 達也
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1990 年 13 巻 1 号 p. 54-62,28

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抄録
嫌気性消化法の効率化のため, 二相消化法のメタン生成相に嫌気性流動床法を導入した。そして, 流入基質濃度や流入負荷が, 流動床の基質除去特性および菌体保持特性に対し, どのような影響を及ぼすかを検討した。使用した基質は, 酢酸単一基質ならびに, グルコースを少量添加した酢酸, プロピオン酸およびn-酪酸からなる混合酸基質である。流入基質濃度の実験の結果, 酢酸単一基質では, 流入基質濃度が増大するにつれ, 流出基質濃度も増大すること, 床内菌体量は, 流入基質濃度が増大するにつれ, グルコース添加の混合酸の系では増大するが酢酸単一基質の系では減少することがわかった。さらに, 流入負荷の実験の結果, 流入負荷が30kgCOD・m-3・d-1までは, 酢酸単一基質, グルコース添加の混合酸基質のいずれの系とも, 良好な処理が行われたが, 酢酸単一基質の系では, 処理水質が変動しやすいことがわかった。
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© 社団法人日本水環境学会
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