水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
Fe(II)の酸化速度のpHおよびDO濃度依存性
小林 節子西村 肇
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 13 巻 5 号 p. 295-302,293

詳細
抄録
底質からのリンの溶出機構をFe(II)-Fe(III)の酸化還元反応との関連で解明する観点から,Fe(II)からFe(III)への酸化速度のpH依存性およびDO依存性について検討した。酸化速度の算出は,溶液の酸化還元電位から推定する方法を用いた。
得られたFe(II)の酸化速度(r)は,DO≧1mg・l-1ではDO濃度に関係なくr=k2・[Fe(II)]・Po2・[OH-]2(5.6≦pH≦7.0),r=k1/2・[Fe(II)]・Po2・[OH-]1/2(7.0<pH≦8.0),r=k0・[Fe(II)]・Po2(8.0<pH≦9.0)と表され,また,DO<1mg・l-1ではDO濃度に依存しr=k2・[Fe(II)]・[OH-]2・[DO]/2.5(1+[DO])(5.6≦pH≦7.0),r=k1/2・[Fe(II)]・[OH-]1/2・[DO]/(1+3.2[DO])(7.0<pH≦8.0)と表され,Fe(II)の酸化速度はpHが高いほど速く,また,DO濃度が低いほど遅い結果となった。
本実験で得られたFe(II)の酸化速度のDO依存性と既往の研究で得られているリンの溶出速度のDO依存性がほぼ一致したことから,Fe(II)の酸化速度が嫌気,好気条件によるリンの溶出速度を因子となっていると考えられた。
著者関連情報
© 社団法人日本水環境学会
前の記事 次の記事
feedback
Top