抄録
濾材の充填方法の異なった4種類の反応槽を用いて低濃度の人工合成下水を処理し,それぞれの菌体保持特性や処理性能を比較・検討した。その結果,低濃度有機性廃水における嫌気性濾床法の処理性能は,70~85%で濾材の充填方法が異なっても変化がないが,濾床内部の分解挙動,すなわち槽内の菌数およびその菌の活性が大きく異なることが分かった。また,すべての系において槽内の菌体の分布状況は,濾材に付着している菌数がもっとも多いこと,また,嫌気性濾床内の分解性能においては水理学的滞留時間が6時間よりも短くなると濾床底部に沈降,蓄積した菌体よりも濾材に付着している菌体による働きが大きいことが示された。さらに,濾材に付着している菌体において酸生成菌の菌数は,1010程度であるが,メタン菌の菌数はそれより1オーダー低いことがわかった。