周防灘西部海域堆積物中の多環芳香族炭化水素(PAH:ベンゾ(a)ピレン,ベンゾ(k)フルオランテン,ベンゾ(b)フルオランテン)を蛍光検出器付高速液体クロマトグラフで測定した。表層堆積物のBaPの濃度は10.4-338ng・g
-1-dryの範囲であり,灘東側よりの灘中央および西側が高濃度であった。
柱状堆積物中PAH濃度はSt.1およびSt.23両地点とも亜表層で極大値を示し,30-40cm層(St.1),40-45cm層(St.23)以深は一定値であった。また,St.23における40-45cm層は年代測定の結果から,約1920年頃と推定された。
表層堆積物中PAHの相対組成比からDistance Indexを求め,その結果に基づいて各地点のグループ分けを行ったところ,当海域は2つのグループ1,IIとグループIII,IVに大別できた。
グループI,IIとグループIII,IVの海域におけるPAHの負荷形態は異なることが示唆された。
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