抄録
生物膜法による排水処理において微生物担体として合成樹脂,セラミック,砂などが従来より用いられてきた。反応槽中の微生物濃度は生物処理性能に関与するため微生物担体はその比表面積を増加させることに重点が置かれてきた。微小粒状担体を用いた流動床法はその一例である。合成樹脂不織布は糸表面への微生物付着および繊維が織りなす立体空間での微生物の増殖により高効率な微生物担体と考えられる。しかしながら,好気性担体としての不織布の応用に関する報告は少ない。そこで不織布の初期濾過テスト,槽内での初期微生物付着テストおよび微生物増殖テストを実施し,不織布への好気性微生物付着機構を明らかにするために実験的検討を行った。その結果,付着微生物濃度に関して比表面積よりはむしろ不織布の目開き間隔に至適範囲が存在することが判った。また浮遊微生物と付着微生物の組成の差異が動力学定数に影響を与えた。