抄録
河川底質の重金属による汚濁を評価する方法を確立する目的で調査を行ない,以下の結果を得たので報告する。
1)底質の粒度組成ごとの重金属濃度の変動を検討した結果,粒子径が小さくなるに従い変動係数が低値となり,粒子径0.075mm以下では10%前後に減少した。また,採泥場所および採泥時期等による変動も小さくできた。
2)底質中重金属を0.5N塩酸抽出により,一次堆積性金属と二次堆積性金属とに区分して比較した結果,重金属濃度の変動は二次堆積性金属濃度に大きく左右されていることがわかった。
3)粒子径0.075mm以下の試料を用いて,Zn・Cd-1等の重金属濃度比を比較することにより,各河川の特徴が見い出されることがわかった。