水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
カチオン・ノニオンおよびアニオン性高分子凝集剤の定量法
花咲 徹林 浩二大西 春樹久保 建二
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1990 年 13 巻 8 号 p. 507-514,497

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抄録
水中に含まれる微量のポリジアルキルアミノエチルアクリレートあるいはポリアクリルアミドなどの高分子凝集剤の定量法を開発した。塩化ナトリウム,硫酸ナトリウムや塩素酸ナトリウム等の無機塩の共存下で高分子凝集剤とタンニン酸の反応,本研究の凝結を含む相互作用によって生じた濁度を分光光度計で測定する方法である。
検量線はポリ(アクリルアミド・ジアルキルアミノエチルアクリレート)共重合物系のカチオン性凝集剤で0-50mg・l-1,マンニッヒ変性系のカチオン性凝集剤で0-20mg・l-1,ノニオン性凝集剤で0-10mg・l-1,またアニオン度20モル%およびアニオン度30モル%のポリアクリルアミド・アクリル酸共重合物系凝集剤ではそれぞれ0-20mg・l-1,0-30mg・l-1の間で直線性が成立した。検出下限はそれぞれ1.2,2.0,0.02,0.85,および2.0mg・l-1であった。
本研究のアニオン性高分子凝集剤の測定方法において,無機塩類の影響は一般に疎水性コロイドの凝結において認められているSchulze-Hardyの法則に従い,そのメカニズムはカチオン性高分子凝集剤と異なる傾向がある。
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© 社団法人日本水環境学会
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