水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
カビ臭生成Phormidium tenueの細菌および微小動物による分解・除去
稲森 悠平大内山 高広杉浦 則夫須藤 隆一青山 莞爾
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1990 年 13 巻 9 号 p. 592-598,576

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抄録
カビ臭生成糸状藍藻類Phormidium tenueの生物学的分解除去特性を明らかにするために,原生動物繊毛虫類Trithigmostoma cucullulusとカビ臭分解細菌に着目し,回分培養および連続培養による実験的検討を行い以下の成果を得た。1)T.cucullulusによるP.tenueの捕食速度は10~30μm・s-1であった。2)T.cucullulusの生育因子として活性汚泥抽出液がきわめて有効であり,P.tenueを食物源としたときその最大比増殖速度は1.61d-1で最大個体数は1,200N・ml-1であった。3)T.cucullulusの食胞内pH値が4以下のとき,カビ臭物質2メチルイソボルネオール(2-MIB)は分解されやすかった。4)T.cucullulusとカビ臭分解細菌を接触酸化槽で連続培養したところ,両者が共存することにより藻類および2-MIBの分解除去能が高まった。これらのことから生物膜にT.cucullulusおよびカビ臭分解細菌などの微生物を定着化できれば,水道原水中のカビ臭は分解除去されることが推察された。
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© 社団法人日本水環境学会
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