水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
回分式活性汚泥法における脱リン特性
岡田 光正上野 泰功林 奇剛村上 昭彦
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1991 年 14 巻 1 号 p. 47-53,30

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抄録
回分式活性汚泥法を用い,その排水流入方法,嫌気時間,汚泥滞留時間(SRT)等の運転方法やグルコース+ポリペプトンの他に酢酸ナトリウム等の基質が活性汚泥の脱リン能力の獲得,脱リン活性の向上,すなわち,脱リンを行う微生物群集にどのように影響するかを検討をした。
活性汚泥中おける脱リン微生物の比増殖速度は,十分な嫌気時間をとっても0.033~0.035d-1(炭素源がグルコース+ポリペプトン)と低いため,汚泥の滞留時間を長く保つことが必要であった。排水の供給時間が短い方がよいことから,有機酸濃度変動が大きい方が活性汚泥微生物生態系内において脱リン微生物が優占となりやすいと推定された。脱リン能力を持つ活性汚泥微生物群を集積するためには,炭素源として酢酸ナトリウムがグルコース+ポリペプトンより有効であった。
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© 社団法人日本水環境学会
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