抄録
湖沼や河川に沈積する有機物質を含んだ底泥は上層の水の酸素収支に重大な影響を与える。
本論文は東京都内の日本橋川で採取した底泥を用い,種々の形態での底泥の酸素消費速度を室内実験で検討した報告であり,次の結果を得た。
1.静止状態での底泥の酸素消費速度は0.2~0.49-O、/m2・日程度であるが,ほんの少しでも乱れがあると,消費速度は0.8~1.29-O2/m2・日に達し,静止状態の2~4倍となる。
2.水槽内の水を入れ替えながらの実験で,消費速度の経日変化をみたが,本実験の範囲ではほぼ一定値を示した。また,この時の表面汚泥の酸素吸収量も一定値を示した。
3.水温が酸素消費速度に大きな影響を及ぼす。
4.濾過による接触実験では0.3~0.69-O、/m2・日/cmの酸素消費速度を得た。また,この時同時に測定したBOD溶出量は0.5~1.6g-BOD/m2・日/cmと酸素消費量より大きな値を示した。