2008 年 19 巻 2 号 p. 101-109
近年,従来よりも層厚を小さくかつ,雨水浸透抑制が可能なジオシンセティックス排水材を用いたキャッピングが開発されつつある。本研究では,ジオシンセティックスを用いたキャッピングの雨水浸透抑制効果を評価することを目的に,キャッピング層を再現した土槽において散水実験を行い,またキャッピング内の水分移動をモデル化し,排水層の形状や施工条件が雨水浸透に及ぼす影響を数値シミュレーションによって把握した。散水実験の結果から,埋立地系外への排水率は約90%,廃棄物層内への雨水の浸透率は約10%であり,ジオシンセティックスを用いたキャッピングが高い雨水浸透抑制効果を有することがわかった。また,数値シミュレーションの結果から,本キャッピングの有効性が確認されたとともに,雨水の浸透率は施工長さの影響を大きく受けることが示された。