抄録
最終処分場において,覆土を介して浸透する雨水の量を制御することで,水処理費用の縮減・安定化に即した埋立環境の形成と,その結果から管理期間の短縮や地下水汚染リスクを低下させることが期待される。そこで,雨水浸透水量を抑制する方法の一つであるキャピラリーバリア型覆土について,浸透水量制御の観点から覆土の構造について検討するとともに,表面流や蒸発などによって,浸透水量を約半減させる役割をなす表層の砂質土や粘性土などの鉛直方向の透水性について検討した。この結果,浸透水量制御範囲の拡大および浸透水量の均等化に有効な覆土構造を提案し,屋外実規模試験覆土によってその有効性を確認した。また,本覆土の浸透水量を予測するための解析手法について提案した。