廃棄物学会論文誌
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論文
ごみ固形燃料 (RDF) の炭化処理による利用用途開発に関する実験
山本 勝彦三沢 真一肥塚 和彦三村 良平
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2000 年 11 巻 4 号 p. 195-203

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抄録
本実験は, RDFの利用用途の開発を目的として, 木材や石炭の燃料精製に適用されている炭化工程により, 家庭系可燃ごみから製造されたRDFを炭化物とした。この結果, 炭化物の容積は, ごみ段階から1/10~1/8に減少し, 重量ではごみ段階の1/8~1/6に減少した。また, RDFからは容積, 重量ともに約1/3に低下した。もう1つの炭化処理の効果として, RDFに含まれる塩素が熱分解により塩化水素として分離され, RDFの塩素含有量が61%削減された。炭化物には植物が必要な微量成分が含まれており, 有害物質の含有量も溶出量も少ないことから, 土壌改良材として使用できることが明らかとなった。
炭化物の塩素含有量を削減するため, 粉砕した炭化物を水洗し, 温水 (80℃) と水蒸気 (115℃) で洗浄することにより, RDF中の塩素含有量は最終的に90%以上が除去された。この実験から, 以下の3点がRDFを炭化処理する利点として得られた。第1には, 広域化処理を念頭に置いた場合, 炭化物はごみ輸送あるいはRDF輸送から炭化物輸送に転換することにより輸送効率を改善できることであり, 第2はRDFより塩素含有量の少ない燃料として利用できることさらに, 第3は炭化物は土壌改良材に利用できること, である。
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© 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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