廃棄物学会論文誌
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論文
連続炭化パイロットプラントを用いた浄化槽汚泥の炭化
加藤 裕之渡辺 孝雄大森 英昭河村 清史牧野 好晃
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2006 年 17 巻 2 号 p. 172-183

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抄録
浄化槽汚泥の減量化・資源化を目的として, 脱水汚泥に対する計画処理能力が60kg/hのパイロットプラントを用いて炭化を検討した。脱水汚泥の直接の炭化および乾燥経由の炭化のいずれにおいても, 脱水汚泥の含水率が約80%のとき重量減量率は約90%であった。また, いずれの場合も, 汚泥加熱のための一次バーナーの設定温度が高くなると, 溶出試験で溶出されるTOCの濃度 (以下, 溶出TOC濃度) は低くなる傾向にあり, 炭化が進行した。なお, 乾燥経由の炭化では, 乾燥汚泥の50kg/h程度以上の投入によって必要な乾留ガス発生量が確保され, 直接の炭化では得ることが難しい溶出TOC濃度10mg/L程度以下の炭化汚泥が生成された。炭化汚泥の溶出試験では, 重金属は「金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める総理府令」の別表第一の基準値以下であった。また, 含有重金属は, 一試料でCdとPbが普通肥料の公定規格を超過したが, 他はすべて満足した。さらに, 肥料成分であるN, P, K, Ca, Mgについては, N以外は脱水汚泥と比較して高い濃度となった。
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© 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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