抄録
近年、循環資源の国際貿易が環境や経済に及ぼす影響が問題となっている。本研究では、日本・中国間における廃電気・電子情報機器(E-waste)のマテリアルサイクルをマテリアルフロー分析により把握した。また、資源性(3R)、汚染性(CO2排出量)の側面からフローの現状評価を行い、それらの指標が改善されるようなマテリアルフローの方向性を考察した。結果として、E- wasteのリサイクルの有効性とリサイクルを優先すべき物質、ボトルネックとなっている未成熟な中国のリサイクルシステムの改善の必要性、日本のスクラップを中国でリサイクルすることの効果などを明らかにするとともに、合理的な国際資源循環の方向性を提案した。