抄録
近年、天然資源の消費抑制と環境負荷低減の解決策の一つとしてバイオマスの利活用があげられている。近年,バイオマスの中でも食品産業廃棄物のバイオガス化がリサイクル技術として注目されている。しかし、バイオガス化技術は家庭系生ごみや家畜ふん尿への適用例はあるが、食品産業廃棄物への適用例はほとんどない。そのため、実際にバイオガス化を導入した際のガス量や運転状況の把握ができていない。そこで本研究では食品産業廃棄物を対象として、メタン発酵導入の際の基本的事項(北海道内での発生特性、バイオガス発生ポテンシャル、連続実験時の運転状況)を明らかにすることを目的とした。 結論として、北海道における食品産業廃棄物の発生は一次産業の分布と深い関係があることがわかった。また、おからと魚腸骨は阻害対策を行うことができればメタン発酵の導入が可能であり、コーヒー抽出粕については過負荷にならないようにすることがメタン発酵導入時の注意事項であることがわかった。