抄録
岩手・青森県境不法投棄物の代表試料を異なる3方式の溶融施設において試験溶融し、そのスラグの安全性を確認し、コンクリートやアスファルト混合物の骨材として利用する研究に取り組んでいる。今回は、溶融方式の異なる3種類の溶融スラグをアスファルト混合物に利用した場合の適用性について検討を行った。各溶融スラグの物性試験を行い、アスファルト用骨材の規格を満たしていることが確認された。また、アスファルト混合物評価として、安定度試験、ホイールトラッキング試験、ラベリング試験等を行い、以下のような知見が得られた。ガラス質の水砕スラグは、骨材とバインダーとの付着力が普通骨材に比べ劣り、安定度・耐摩耗性の低下が懸念されるため、置換率を10%以下に抑える必要がある。結晶質の徐冷スラグは、骨材とバインダーの付着力はよいが、微粒分量が多いことから耐流動性の低下が懸念されるため、粒度調整により微粒分量を抑える必要がある。