抄録
セラミックフィルタとナトリウム系薬剤を用い,300℃の温度域で除じんおよび酸性ガスを除去する新排ガス処理システムを開発し,一般廃棄物処理のキルン式熱分解ガス化溶融プラント(70t/24h×2基)に適用した。本プラントでは,ごみを熱分解するための熱源として熱分解によって得られる可燃ガスの燃焼排ガスを利用しており,この燃焼排ガスの300℃の温度域に本システムを適用し,酸性ガス除去および除じんを行っている。セラミックフィルタ出口ダスト濃度は1mg/m3N以下で,集じん効率は99.8%以上であり,フィルタ圧力損失はろ過速度1.5m/min時に約2.2kPaであった。また,燃焼排ガスの通過する加熱管の腐食を考慮して排ガス処理後HCl濃度の設定値を15ppmとして薬剤供給量を制御することで,安定して腐食のない領域で運転がなされている。