抄録
本研究は、デポジット施策における消費者行動の変化により生じる社会的便益を算出し、デポジット施策の効果分析を行うことを目的とする。分析においては、デポジット施策の導入前後における行政の収集処理費用の削減額や企業の利益等を算出し、これらを比較することによりデポジット施策の社会的便益を求める。デポジットの方式として上乗せ方式・奨励方式・併用方式の3種類の方式を用いた。対象地域を徳島市とし、計算で用いられる世帯数やごみの収集処理費用などの値は徳島市のデータを用いた。徳島市におけるそれぞれのデポジット施策において社会的便益を算出することができ、比較検討することができた。また、日本ではデポジット施策が環境美化目的で行われているが、ごみの減量化に際し、デポジット施策が社会全体に対してどのような利益をもたらすのかを行政・企業の各便益を算出した上で、社会的便益という視点から数値化することができた。