抄録
本研究では,高温環境での遮水工からの漏水現象を明らかにすることを目的として,遮水工を模擬したカラムを用いて実験を行い,漏水特性を明らかにするとともに,これまで提案されている理論的推定法および数値計算ソフトウェアを用いた解析で得られた結果との比較・検討を行った.その結果、遮水シートと自然地盤を模擬した砂層を充填した条件で漏水量測定室内実験を行った結果,遮水シート上の保護用砂層の厚さを増加させると漏水流量は約1/8まで減少し,20℃から50℃,さらに80℃まで温度上昇すると約2?3倍になった.また、その結果を既存の推定式及び数値シミュレーションにより再現することを試みた結果,本研究で提案した FEMによるダルシー流れ解析値は,従来提案されている方法よりも実験値に近い推定値を与えることがわかった.