抄録
平成14年度において焼却灰(主灰)は埋立処分される廃棄物の約75%を占めている.また,中間処理やリサイクルプロセスの高度化により,将来の埋立物は溶融飛灰,破砕不燃物等へ組成の変化が予想される.本研究では焼却灰および溶融飛灰について埋立処分後の浸出水の特性を検討するために溶出試験および散水による埋立管理プロセスの検討を行った.試験の結果,溶融飛灰は焼却灰とは違う溶出特性を示した.浸出水水質においても,同じ散水条件では溶融飛灰から得られる浸出水は焼却灰と比較して塩類濃度が高く,濃度低下も遅れるなど,焼却灰とは異なる浸出水水質を示した.そのため,適切な埋立管理プロセスを提案する必要性が示唆された.