廃棄物学会研究発表会講演論文集
第17回廃棄物学会研究発表会
セッションID: P1-E2-9
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E2 有害性試験
溶融スラグのPbの日常モニタリングとしての新規カートリッジ式ボルタンメトリーによる簡易分析法
貴田 晶子*宇智田 奈津代岩佐 航一郎玉木 聡史
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抄録

廃棄物溶融スラグを一般環境中で利用するにあたり,環境安全性評価においてPbについて目標基準(土壌溶出基準及び土壌含有基準)を超えることが指摘されており,日常的なモニタリングによる品質管理が必要とされる。公定法のPb分析にはICP発光分析,ICP質量分析,原子吸光が採用されているが,日常的な品質管理に用いる方法としては、現場で分析可能であること、取り扱いが簡便でランニングコストが低く,分析時間の短い簡易分析法が期待される。そこで,本研究では,カートリッジ方式のボルタンメトリシステムの適用を試みた。検出原理として用いたアノーディックストリッピングボルタンメトリー(ASV)は,溶液中の目的物質を電極(水銀電極ではなくカーボン電極)に吸着した後に電極電位を正方向へ掃引することで出現する酸化電流を分析信号として超微量の金属を測定する手法である。溶出液中のPbの定量に関して,0.5mg/Lの検出限界(試料液5mL)をもつこと,測定時間は濃縮から分析まで30分間で行えることから,日常管理のための簡易分析法として十分に適用できることを確認した。本報告では妨害物質の除去に関する検討と1N塩酸抽出溶液中の鉛に適用するための基礎的検討を行ったので報告する。

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© 2006 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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