抄録
海洋浮遊ゴミの実態を知ることを目的とする海浜漂着ゴミの調査方法について検討した。浮遊ゴミは狭い波の遡上帯に漂着するため、漂着ゴミ数と海浜の幅に強い相関は見られない。また軽量のゴミは漂着後に風で海浜上方に拡散移送され、重量ゴミと分別される。この自然分別による騒擾を避けるためには、海浜上部までの範囲を定期的に調査することが必要と思われる。一方、汀線方向の漂着も不均一で、海洋浮遊ゴミと相関させるためには十分に長い区間の調査が必要である。しかし漂着に関する海岸特異性があるため、特定海岸の調査区間を長くすることは不適当であり、複数の海岸を調査して不均一性を平均化することが必要である。