近年我が国では,循環型社会形成推進基本法に基づき,家電リサイクル法をはじめとした廃電気電子機器に関する各種リサイクル法が制定され,循環型社会構築のための社会システムが築かれている.また海外では,WEEE指令をはじめとした,廃電気電子機器(E-waste)に含有される鉛等の微量有害性物質に対する規制強化の動きが注目されている.本研究では廃電気電子機器の1つとして,使用済み携帯電話に着目した.携帯電話は使用済み後も退蔵されやすい事が挙げられる.また携帯電話には,金等の希少金属や鉛等の微量有害物質が含まれているが,法的規制や回収方法が確立されていないため,適切な処理がなされないまま環境中に放出されている可能性がある.本研究では,使用済み携帯電話の退蔵実態,及び適切な回収・処理が行われないまま環境中に放出される恐れのある使用済み携帯電話台数を,実態調査と統計から推定した.