抄録
1,4-ジオキサンは、発ガン性が知られ、環境水中に比較的高濃度・高頻度で検出されている化学物質の一つであり、生物分解性が低く、親水性が高いことから、生物分解と分離除去を基本とする従来の水処理技術では十分に除去できないことが明らかとなっている。本研究では、最終処分場浸出水中の1,4-ジオキサンを対象として、紫外線/過酸化水素法(UV/H2O2)による分解実験を行い、その分解特性について検討した結果、1,4-ジオキサンは、UV/H2O2によって速やかに分解することが明らかとなった。また、UV/H2O2反応塔における1,4-ジオキサンおよび過酸化水素および共存有機物の分解モデルを構築し、計算機を使ってシミュレートした結果、計算値と実測値は非常に良く一致した。すなわち、今回構築した分解モデルを用いて、処理水質の予測およびUV/H2O2塔の詳細な設計が可能となった。