一般廃棄物の焼却灰、焼却飛灰処理物、溶融スラグからのアルカリ度の溶出メカニズムを明らかにするため、反復溶出試験(拡散溶出試験)を行った。その結果以下の結論が得られた。1)焼却灰および処理飛灰では、全アルカリ度の98%以上が残存アルカリ度であった。スラグの場合、全アルカリ度に対する残存アルカリ度の寄与率は、pH5溶媒の場合、2回目の採水以降85%であり、pH4溶媒の場合は50%であった。2)全アルカリ度を構成する物質として、焼却灰についてはICとOH―で全アルカリ度の70%を占めると考えられた。処理飛灰についてはほぼ全量がOH―と考えて良いと思われる。飛灰についてはICとOH―の占める割合はごくわずかであった。3)全アルカリ度の溶出速度と時間の間にはべき乗の関係が認められた。溶媒pHによる溶出速度には大きな違いは見られなかった。4)全アルカリ度の溶出メカニズムとして、溶解律速が示唆された。