抄録
アスベストは、主にビルなどの耐火被覆としての吹付け材、工場・住宅など建築物の屋根、外装及び内装材などの建材製品として幅広く使用されており、スレート波板などの“非飛散性”と称される成形板は、アスベスト含有建材の約7割を占めると報告されている。今後、これらの成形板などが廃棄物として大量に発生することが予想されるが、廃棄物処分場の圧迫、解体時の飛散防止対策など課題が多く残されている。
本研究では、国内の建築物に使用されたアスベスト含有建材のうち、スレート波板、スレートボードなど、建築物の主として屋根材、外装材、内装材(天井・内壁・床)などに使用された非飛散性の成形板を対象に、国内での使用実態を調査するとともに、住宅の寿命分布関数に基づいて、使用中の建材量(すなわち、将来における廃棄物としてのストック量)及び将来にわたる廃棄量について検討を行った。