抄録
筆者らは、建設系再生製品の土壌・地下水への溶出リスクに焦点をあて、粒状・塊状や成型品などの利用形状の違い、さらには長期的な外部環境変化に伴う影響などを評価できるよう、目的に応じた複数の環境安全性評価試験(特性化試験)を設計・規格化し、さらに、それらを組み合わせた体系的な評価試験システムを構築し、廃棄物学会規格として提案することを目指している。
このうち「環境最大溶出可能量試験」(環境アベイラビリティ試験)は先行的に取り組みを行っている試験法である。昨年度の検討では、6機関で試験を試行したところ、結果にやや大きなばらつきが生じた。そこで試験に影響を及ぼす溶出操作条件の解明を試みた。その結果、撹拌強度やろ紙の巻き上げなどによる試料の浮遊状態が大きく影響し、また、容器上面の開口割合も影響することがわかった。