抄録
従来行われてきた市町村単位のデータを用いた地域特性と排出原単位に関する分析では、様々な地域特性を持つ地区の平均を用いることになるため、あまり明確な結果が得られなかった。福岡市は小学校区単位の排出原単位データを公表している。これを用いて分析を行った。あわせて従量制有料化の効果の地域的な差についても分析した。
排出原単位に関しては世帯人員が少ない、人口あたり事業所数の多い地区で高いことが示された。この2つの特性は同時に出現することが多いため、どちらがより大きな効果を持つのかは判別できなかった。
有料化の効果には地区によって大きな差があることが示されたが、今回準備された社会経済指標からは説明できなかった。有料化がどのような条件の下で効果があるのかを明らかにするのは今後重要である。