本研究では調理や加工等で発生する野菜屑と使用済みの包装系プラスチックを原料とした固形バイオマス燃料の製造プロセスを考案し、得られた固形燃料の輸送から燃焼までのCO2排出量についてRPF(木屑と使用済みプラスチック)および発電用石炭との比較検討を行った。乾燥野菜屑からなる固形バイオマスはRPFとほぼ同じ発熱量、灰分、塩素分、硫黄分を有していることから、燃料として十分使用できることが分かった。しかしながら今回の乾燥工程の環境負荷を計測するために行った実験では十分な乾燥工程の最適化を行えなかったために発電用石炭を燃焼した場合よりもCO2排出量が多くなることが明らかになった。乾燥工程の最適な設計、運転条件検討、および全体のシステムに呼応した乾燥工程設計を行なうなど乾燥工程においてCO2排出量を低減化できれば野菜屑を原料とした固形バイオマス燃料はRPFと同等の低環境負荷型石炭代替燃料になり得ると考えられる。