抄録
循環型社会を構成するリサイクルを念頭に、我々はクローズドシステム処分場(CS処分場)に関して、廃棄物を資源物とした場合の資源保管庫としての適用性について、検討を重ねてきた。その成果の一つとして、一時的にCS処分場を保管庫として使用した後に、再び処分場として使用するシステムを提案した。本研究においては、現有施設としてオープン型処分場(OP処分場)とCS処分場を同時に有するA市をモデルに、この提案を適用した場合の最終処分場の延命効果および経済効果について検討することを目的に、ケーススタディを行った。結果として、極力品質を変えることなく安全に、長期間にわたって有機廃棄物を保管する方法等、残された課題は多いが、適切な施設を組み合わせた場合には、CS処分場を一時保管庫として用いた後に、最終処分場として用いることにより、最終処分場の延命効果や経済効果が得られることを定量的に示すことができた。