抄録
本研究は、水圏で問題となっているアオコ及び富栄養化の原因物質である窒素・リンの除去に効果のある「フッ素化合物電解法」を用いて、閉鎖性水域における水質浄化を目的としている。ついては、効率よく浄化する方法として、浄化する水域規模に対する電解能力を特定し、省電力・延命化での処理効果拡大を目指していく。従って、本実験では各システムの運転方法を検討し、装置の実用化に向け、システムを構成することを試みた。今回の実験から得られた知見として、湖沼に存在する有機物と無機物の関係から水質状況を見ながら、電解電力を調整する必要がある。また、マイクロバブルの効果による効率化を目指したが、スカムの拡散につながったため、使用に関しての検討が必要である。なお、太陽光発電による発電能力を把握し、システム可動の方法を確立することが、大きな浄化効果につながる事が判明した。