抄録
上咽頭癌に対して一次治療として放射線治療を行った後に局所再発した10例に対し, 定位放射線治療 (stereotactic radiotherapy) により再照射を行った。その効果, 経過, 予後, 合併症, 有害事象を検討し, 報告する。一次治療時のT分類はT1—2例, T2—5例, T3—2例, T4—1例であった。一次治療から再発までの期間は4ヵ月から33ヵ月 (中央値11ヵ月) であった。再発時のrT分類はrT1—3例rT2a—4例, rT2b—2例, rT3—1例であった。照射方法は1回線量3~7Gyとし, 照射回数は5~10回とした。再照射量は総計30~42Gy, 中央値は36Gyであった。奏効率は100%であり, 1年局所制御率は70%であった。治療に関係したgrade 4以上の重篤な合併症はみられなかった。