現在、古紙は60%以上が製紙原料として利用されている。それ以外では、固形燃料、家畜用敷料、汚水・汚泥脱水助材等で1%未満の状況である。バイオマス有効利用の観点から、古紙の新たな利用方法が求められている。そこで、古紙にニッケルめっきを施して導電性を持たせることによる、電磁波シールド紙への活用を試みた。ろ紙へのニッケルめっきによる電磁波シールド効果は、様々報告されているが、古紙への応用は未だ試みられていない。 導電性を持たせるためには様々の方法があるが、セルロース繊維の回りに金属膜を成膜する無電解めっきが適していると考えられる。高い導電性を付与するためには、銅が有利と考えられる。しかし、銅は酸化しやすく硬い皮膜となるため、これらが利用時における課題となる。そこで、本研究では無電解ニッケルめっきを用い、古紙は、塗工紙、光沢紙とした。また、めっきされた古紙のめっきの状態および電磁波シールド効果を測定した。