現在、家庭で生ゴミをコンポスト化することのできる家庭用生ゴミ処理機が市販されているが、広く普及しているとはいえない。原因の一つが、処理の不安定さである。この問題を解決するために生ゴミと一緒に微生物剤を投入するという方法がとられている。しかし、本当に微生物剤が必要であるかどうかは疑問が残るところである。本研究では種菌の植種効果を見るため、分解促進効果、植種の持続性、植種の必要性の3点について評価することを目的とした。種菌として市販の微生物剤、下水汚泥コンポスト、生ゴミコンポストを用いて、コンポスト化実験を行い、有機物分解、細菌数、微生物相を測定した。結果として、分解促進効果については、各種菌とも顕著な効果は見られなかった。また、植種の持続性としては、各種菌とも培養1~3日程度までであった。植種の必要性としては、初期の分解促進効果を除くと、本研究で使用した種菌の植種の必要性はないと考えられた。