廃棄物学会研究発表会講演論文集
第19回廃棄物学会研究発表会
セッションID: C5-1
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C5 焼却灰の特性・安定化処理
石炭中のフッ素のフライアッシュへの分配を支配する要因の検討
*坪内 直人林 英和佐藤 正秀鈴木 昇大塚 康夫
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抄録

微粉炭燃焼時におけるフッ素のフライアッシュ (FA) への分配を制御する要因を解明するため、X 線光電子分光と昇温脱離法を用いて、FA 中のフッ素の化学組成や炭素の活性サイトを主に調べた。その結果、調べた六種類の FA 中には 20~130 μg/g のフッ素が含まれ、その大部分 (85 % 以上) は未燃炭素と結合した状態 (C-F 結合) で存在することが明らかとなった。また、FA 中には 0.4~4.1 mass% の未燃炭素が含まれ、その表面に存在するカルボキシル基、ラクトン、酸無水物、フェノール性水酸基の一部は 700˚C までに CO2 と CO を放出して、炭素活性サイトに変化し、その量が多いと FA 中の有機フッ素濃度は高くなる傾向が認められた。以上より、微粉炭燃焼時に発生する HF は、700˚C 以下で容易に生成する活性な炭素サイトと二次的に反応して有機フッ素種に変化すると推論された。したがって、フッ素の FA 表面への濃縮は、上記の反応を通して進行すると考えられる。

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© 2008 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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