抄録
粉末ブリケット/蛍光 X 線法で, 一年間月ごとに同一地点で採取した焼却飛灰・主灰の主要13成分と微量に含まれるCr, Ni, Cu, Zn, Pbを分析した。また, Rietveld解析を用いたX線回折法で結晶相分析をした。一年間の分析結果において, 元素濃度に大きな変動は見られなかった。飛灰の主要結晶相である, anhydrite (CaSO4), calcite (CaCO3), gehlenite (Ca2Al2SiO7), halite (NaCl), quartz (α-SiO2), sylvite (KCl)のRietveld解析を行った。内標準物質にはcorundum (α-Al2O3)を用い, 10 mass%になるよう飛灰に添加した。Rietveld解析値は標準添加法, 検量線法での分析値と概ね一致した。そのため, 焼却灰中の結晶相分析には, Rietveld解析が適用できることがわかった。