抄録
焼却灰を有効利用するためには、重金属の存在形態を利用先の環境において長期に安定なものに改変する必要がある。この課題に対し、焼却灰を水熱処理することにより、粘土鉱物などを生成し、その内部に重金属を安定化させることを試みた。ここでは、特に添加剤の混合比を調整し、smectite系粘土鉱物を生成し、かつchrysotileを生成しない条件を見つけることを課題とした。smectite系粘土鉱物を生成し、かつchrysotileを生成しない条件を見つけることができたが、酸性領域においてCuは溶出を抑制することができたが、Cdは抑制することができなかったなど重金属の溶出を抑制するとは一概に言うことができない結果となった。