美術教育学:美術科教育学会誌
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実社会・実生活との関連を柱とした図画工作科と他教科等をつなぐカリキュラム・マネジメントに関する研究
-先行事例から検討する実践化への視点-
畑山 未央
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2022 年 43 巻 p. 155-172

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抄録

本稿では,子供たちにとって造形や美術における生活や社会とのつながりを一層実感できることを目指す美術科教育と他教科等をつなぐ視点について,実社会・実生活の中から見出される探究課題を抽出し,各教科の教科書題材と紐付けることで検討を行なった。その結果,「共通の主題に対して教科の内容を関連づける視点」や「児童・生徒の問題や関心から出発して,教 科を統合しながら課題を探究する学びの視点」の原理について示唆的見解を得ることができた。 一方で,美術科教育と他教科がつながることで育成できる資質・能力観や学校現場を想定したカリキュラム・マネジメントの観点からの具体的な提案には至っていない。そのため,今後は図画工作・美術科の授業時数の問題も含め,総合的な学習の時間や他教科,学年や学校全体,教員間,地域社会等との協働の仕組みづくりに関する実践的な継続研究を進める。

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© 2022 美術科教育学会
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