抄録
廃棄物溶融炉における炉内耐火物の激しい損傷に伴い、現在、耐食性に優れる耐火物として酸化クロム含有耐火物が使用されるが、使用条件によって6価クロム化合物を生成する可能性が懸念されている。
本研究では、酸化クロム含有耐火物を用いた回転侵食試験を実施し、生成した水冷スラグを使用し、環告13号、46号に準じた溶出試験を行い、様々な条件によるスラグからの6価クロム溶出への影響を調べた。
その結果、スラグ中Cr2O3含有量は耐火物中Cr2O3含有量の影響を強く受け、試料粒径が6価クロム溶出に大きく影響を与えることが分かった。