近年、日本と中国の間で再生資源貿易が著しく増加している。今後、中国経済の拡大は、日本の再生資源の中国への流出を招き、日本のリサイクル産業を縮小させる可能性がある。本稿では中国経済の拡大が日本のリサイクル産業に与える影響を、日中応用一般均衡モデルを用いて分析する。分析により、日本のリサイクル産業の拡大ないし縮小は、中国経済の拡大のパターンによって決まるということ、特に経済拡大の過程で生じる、中国の天然資源集約的産業の生産コストの変化が、日中再生資源貿易を通じて日本のリサイクル産業に影響をもたらすということが明らかになった。