日本水処理生物学会誌
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揺動床による地下水からの窒素除去
HA DOAN THU神田 龍一小山 登一郎古川 憲治
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2006 年 42 巻 2 号 p. 65-78

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抄録

飲料水中の高濃度のNO3-Nは地域住民、特に幼児の健康に悪影響を与える。そこで、NO3-Nを効率的に除去するため、微生物担体としてバイオフリンジを活用する揺動床技術が脱窒処理に適用できるか検討した。このプロセスは、長い汚泥滞留時間を維持できる、流出水中のSS濃度や濁度を低減できる、有害物質による影響を緩和できる、高負荷処理が可能となる、汚泥返送が不要であるなど、固定床と流動床の両方の長所を併せ持っている。今回の研究では、容積負荷1.44㎏NO3-N /㎥・dayの条件下で80~90%の脱窒率を得た。システムの維持管理も容易であった。実験期間全体を通して、流出水中のSS濃度は10㎎/l以下であった。汚泥収率は0.29gVSS/gNO3-Nremovedであり、平均SRTは約44日と推定できた。本研究では、DO濃度、攪拌機の回転数、C/N、流入NO3-N 濃度などの変化がシステムに与える影響についても検討した。

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© 2006 日本水処理生物学会
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