抄録
捺染染色工場から排出される廃水には尿素由来の有機態窒素が高濃度で含まれており、その窒素除去が大きな課題となっている。我々はこれまでにポリエステル製不織布を固定化担体とした固定化材(SSC)を効率的かつ経済的な窒素除去法として開発し、特許を取得した。この処理システムのパイロットプラントを捺染染色工場に設置し、実廃水による連続硝化・脱窒処理試験を行った。工場廃水を前処理なしに硝化・脱窒処理を行うと、硝化はほとんど進行せずに、固定化担体として用いた不織布の表面に糊状の物質が付着した。このため、工場廃水を12時間程度空気曝気による前処理を施したところ、廃水中の油分が分解除去され、処理槽内で硝化・脱窒が進行することを確認した。空気曝気による前処理を12時間、処理槽内での滞留時間を1.5日以上にすることによって、廃水へのTOC源の添加なしに、38%の脱窒率を得た。