日本水処理生物学会誌
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生活排水の土壌処理法における硝化阻害剤の窒素除去への影響
雷 中方黄 映恩清水 和哉張 振亜
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2010 年 46 巻 1 号 p. 35-45

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抄録
ジシアンジアミド(Dicyandiamide, DCD)は、土壌中の硝化プロセスの阻害剤としてよく利用されている。本研究では土壌処理法において、汚染物質の除去に及ぼすDCDの影響を究明するために、水理学的負荷を0.01-0.02 m3/m2/dに設定し、3つの異なる組成のカラムにより実験室レベルで実験を平行に実施した。DCDの濃度は1.5 mg/lで、COD、TP、NH3を効率的に除去され、それぞれの除去率が90.68-92.11%、>99%、98.96-99.72%に維持された。3つの異なるカラムのTNの除去率に差異が見られ、B、CカラムのTN除去率においては微小なDCDの影響を受け、86.87-93.10%であったことに対し、カラムAの場合には大きな影響を受け、TNの除去率は26.19%に過ぎなかった。また、3つのカラムのすべての深さにおいて、酵素の活性の分析によりウレアーゼ(urease)の活性が阻害された。さらに、3つの異なるカラムにおけるDCDの硝酸還元酵素(nitrate reductase, NAR)と亜硝酸還元酵素(nitrite reductase, NIR)への阻害特性は異なった。このことから、カラムAの場合、硝化プロセスと脱窒プロセスの間に不均衡が生じ、TNの除去率が悪化し、土壌の全深さでのNAR とNIRの活性がDCDにより阻害されたことが原因と考えられる。
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© 2010 日本水処理生物学会
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