抄録
微生物燃料電池(MFC: Microbial Fuel Cell)は,水処理およびエネルギー回収技術の両観点より現在注目されている。本研究では,アノード槽とカソード槽を個別に有する二槽型のMFCを用い,イオン交換膜の種類によるMFCの電池性能および微生物叢への影響を明らかにした。これまでMFCの研究に広く利用されている水素イオン交換膜(PEM)であるNaffion117を対照として,一般的なPEM,および汎用性の高い陽イオン交換膜の計3種類を用いて個々の電池性能を調べた結果,最大発生電圧は同様のレベルとなり,クーロン効率および発生電流密度にも大きな差はみられなかった。一方,アノード電極上で増殖したバイオマスの微生物叢には,実験間で若干の差異がみられたが,全ての試料においてLactococcus属細菌による電力発生への関与が推定された。