抄録
本研究では、Anabaena macrosporaの休眠細胞の生理生態を解明する基礎的研究として、休眠細胞を形成・回収する方法を検討した。A. macrosporaを、水温20℃、照度5,000Lx、明暗周期12(明)-12(暗)下において培養し、増殖が定常期となる培養開始後4週間経過した時に、休眠細胞が形成され始めることを確認した。しかし、培養を6週間以上行うと、形成させた休眠細胞が発芽してしまうため、休眠細胞の形成培養期間を6週間とすることが適当と判断した。また、形成させた休眠細胞と栄養細胞が混在した液体を分液漏斗に入れ、沈降する休眠細胞と浮上する栄養細胞を分離することに成功した。さらに、回収した休眠細胞をプランクトン計数板に入れ、一定期間インキュベーターの中に静置した後、初めの状態と静置後の状態を比較することで、回収した休眠細胞の発芽を定量的に評価する方法を確立した。そして休眠細胞の発芽を観察し、形成・回収した休眠細胞が発芽能力を有する健全な休眠細胞であることが確認できた。