抄録
2009年6月から2012年2月の間、18S rRNA遺伝子のクローニングにより草木湖の微小な真核生物(0.2-5μm)の生物相について検討を行った。緑藻植物門緑藻綱Mychonastes属、クリプト植物門ゴニオモナス綱Goniomonas属、ハプト植物門ハプト藻綱Chrysochromulina属、オクロ植物門黄金色藻綱Paraphysomonas属、ビコソエカ門ビコエカ綱Nerada属、アメーバ鞭毛虫門サルコモナデア綱Bodomorpha属、繊毛虫門旋毛綱Parastrombidinopsis属に近縁なクローンの検出頻度が高く、主要な真核生物であると考えられた。検出された66%のOTU(operational taxonomic unit)において既知種に対する相同性が95%未満であり、多くの未分類の系統の真核生物が存在することが示唆された。