日本水処理生物学会誌
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実規模の鉛直流型人工湿地における植物栄養生長期の大型動物群集
中村 和德矢野 篤男陶山 佳久西村 修中野 和典
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2016 年 52 巻 3 号 p. 45-54

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抄録
人工湿地での植栽が大型土壌動物群集に与える影響を明らかにするために、実規模の鉛直流型人工湿地の濾床で大型土壌動物数を調査した。調査対象は、餌資源となる有機物が最も多く堆積する一段目の濾床とし、植栽したヨシが旺盛にバイオマス量を増加している栄養生長期に行なった。植物の栄養生長期における大型土壌動物数は、無植栽区よりも植栽区で多く、人工湿地への植栽が土壌動物の多様性を高めることが確認できた。また植物の存在によって多様性に影響を受ける動物群が確認された。人工湿地には餌資源となる豊富な有機物が堆積するにも関わらず、植栽が土壌動物の多様性に大きく影響を与えた。大型ミミズは植栽区の0-10 cm層で最も個体数が多かった一方で、無植栽区では10-20 cm層で最も多く採取された。これらの結果は、植栽は大型土壌動物へ餌資源(リターなど)を供給する役割よりもむしろ急激な温度変化などの劇的な環境変化を緩和する役割の方が大きいことを示しており、廃水由来の有機物が常に供給される人工湿地においても植栽が大型土壌動物の多様性にとって重要であることが明らかとなった。
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© 2016 日本水処理生物学会
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