抄録
琵琶湖沿岸帯は、南湖73%、北湖38%が人工的湖岸となっている。この人工的湖岸と自然的湖岸の底泥を採取し、底泥中の溶存酸素濃度を底泥表層部から微細鉛直分布測定を行った。マイクロプロファイリングシステムを用いることにより0.5~1mm毎の溶存酸素濃度測定が可能となった。さらに、藻類細胞密度についても1mm毎の計数測定を行い、人工的湖岸と自然的湖岸の底質の比較評価を行った。人工的湖岸の底泥表層部は、酸化還元層境界が薄い嫌気的な環境にあり、藍藻細胞の密度が非常に高く、粒径の小さい粘土質シルトをおよそ50%含んでいることが明らかとなった。