日本水処理生物学会誌
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水素酸化脱窒反応に及ぼすスポンジ担体充填率の影響
篠田 健太SUPHATCHAI RUJAKOMTIPPAWAN SINGHOPONRAWINTRA EAMRAT亀井 樹風間 ふたば
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2020 年 56 巻 4 号 p. 67-78

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抄録

 発展途上国において、地下水中の硝酸態窒素除去を目的とした、低コスト・高効率な水素酸化脱窒リアクターの開発が急務である。本研究はスポンジ担体を用いた水素酸化脱窒リアクターを開発し、その充填率(0%、10%、20%、30%)が水素酸化脱窒反応に及ぼす影響を評価した。担体添加により窒素除去率の向上が見られたが、充填率10%、20%、30%の間には優位的な差は見られなかった。硝酸態窒素除去速度は充填率0%、10%、20%、30%において、それぞれ382、470、548、530 g-N/(m3・d)で、担体付着性汚泥が硝酸態窒素除去の増加に重要な役割を果たすことが示唆された。リアクター内では水素酸化脱窒とともに従属脱窒が共存し、担体付着性汚泥量とその従属脱窒活性には強い相関性があったものの、窒素除去量に対す従属脱窒割合は5.1%だった。担体添加型水素酸化脱窒リアクターは高い窒素除去効率を有することから、地下水処理への優位性が示された。

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© 2020 日本水処理生物学会
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